ジオラマプロジェクト
プロジェクションマッピングによる愛知県災害シミュレーション
Nankai from Ippei Torii on Vimeo.
■ 背景、経緯
近年、世界的に自然災害が頻発している。そのたびに、多くの人々が犠牲になっている。
災害に対する備えが実際に即しているかどうかをもっと検証しなければならない。
そこで災害発生時の被害状況をより分かりやすく可視化するために、我々メディア情報研究会は地図模型を投影物
とし、プロジェクターで映像を写し、災害シミュレーションプロジェクションマッピングを行い、地域住民の防災
意識向上に役立てます。
◎ 南海トラフ地震発生における被害想定
■今回の南海トラフ地震により発生する最大クラスの津波など様々なモデルにに基づいてどんな災害になるのか、
地震の震度によって従来にない形になる可能性がある。この点についてシミュレーションを行う。
■津波は浸水域、到達地点、時間、高さをシミュレーションするが、東日本大震災を受けて我々は津波の破壊力、
強さは浸水域や高さだけではなく [ 流れ ] という破壊力が非常に重要だとわかった。その情報もいれて結果の可視
化を行う。
■津波の影響範囲をシミュレーションするにあたって従来のハザードマップでは静止画での最終的な浸水範囲を表示
するのみであった。我々は浸水範囲に加え、流体力、[ 流れ ] を アニメーション化する。正面のディスプレイを複
合的に活用し、現象の解説や、被害想定をグラフ等を用いて解説する。
■震度ごとの家屋の倒壊数や、死者数などの被害状況をディスプレイの映像とプロジェクションマッピングを組み合
わせて、段階的にシミュレーションをする。それに加え地震発生後の様々な二次災害を、時系列と組み合わせて同
時に投影することが出来る。
◎ 地震または津波等の二次災害
・災害発生時の想定される総死亡者数、総被害額、帰宅困難者数、家屋倒壊、焼失件数
・避難場所やその収容人数
・救援物資緊急輸送ルート
・液状化現象発生予想地域
・崖崩れ発生予想地域
■ディスプレイとプロジェクションマッピングの二面での映像
本プロジェクトでは南海トラフの詳細な地殻構造や状態、地震活動を最新の調査・観測結
果を取り込み、起こりうる地震像を高精度に予測する。予測された強振動や津波の情報は
地震に対する備えの基礎としシミュレーションを作成する。東海・東南海・南海地震の発
生からは逃れられないが、地震発生時の状況を詳細に予測し、その予測に応じて的
確な対策を講じておけば被害は現在の想定よりも大幅に軽減することができると考える。
プロジェクションマッピング技法を用いて、地図模型に高精度な映像を投影することによ
り、高台と低地の差異についても視覚的に認識する事ができる。投影する映像は地震後に
発生する様々な災害を分類し、震度ごとに段階的にアニメーション化する。また、正面の
ディスプレイには投影されている映像の説明や、3D アニメーションによるシミュレーショ
ン映像を流す。これらを複合的に活用することで、より多くの情報を分かりやすく提示す
ることが出来る。
■ 学生の避難シミュレーション
地震発生後の学生の動きについてもシミュレーションを行う。地震が発生し、周囲の道
路が寸断され、公共交通機関が停止した場合に帰宅困難に陥る学生の推移を地域ごとに、
道路や路線図と共に投影する。また帰宅途中にある避難場所の情報も加えて投影する。
また、帰宅途中の避難場所の情報も加えて学生の避難シミュレーションを行う。学生に
避難経路を周知させ、災害時の避難誘導の円滑化に役立てる。
地域の防災意識の啓発に活用
□ 解体して運べるので、各種イベント・講座に活用できる。
① 瀬戸市消防本部出初式など、地域の防災活動に参加・展示する。
② 知多半島の小学校での出張授業(津波防災教育)で活用する。
③ 通常は地域防災センターに常設し、見学者に自由に操作してもらう。
④ シミュレーションデータは逐次更新でき、最新の情報を公開する。
⑤ 将来的には、知多半島部の拡大地図や全国地図に展開したいと考える。